予算を握っている自治体を動かさなければ変わらない
排泄は子どもの健康に関わる重大な行為だ。心身の調子が整ってこそ、学習にも身が入る。まして新型コロナウイルス対策が緊急課題である現在、トイレでの感染リスクについても神経を配らなければならない状況ではないか。
コロナ対策のための遠隔授業などの必要性から、国は計画を前倒しして、小中学校の児童・生徒に1人1台のコンピューター配備を本年度中に完成させることとなった。1人1台のコンピューターが備わっている学校で、トイレが5K状態のまま放置されているなんて、完全にバランスを欠いている。
これを解消するためには、保護者の皆さん、またできれば地域の皆さんが積極的に声を上げるのが一番だ。学校や教育委員会がトイレを改修したいと考えていても、予算を握っているのは首長や議会なのである。文部科学省にできるのは、あくまで補助金を出すところまでであり、自治体が予算措置をすることを強制するわけにはいかない。首長や議会にとって、怖いのは文部科学省ではない。選挙権を持つ地域住民なのである。
学校のトイレを子どもたちのために改修する。これを一人でも多くの人たちが主張することが、子どもたちの心身の健康と成長につながるのだ。声をあげようではないか。