生産性はビジネスの生存対策

【正垣】ビジネスっていうのは、自分の得意なことで世の中の困っている人を助けようとするよね?

そのときにね、ビジネスをずっと保っていくには生産性なの。生産性っていうのは、生存対策なの。

そのために何をするかって言ったらムダをなくすこと。エネルギーってムダがないから、ムダをなくせばいい。9人でもやってても、4人やってみようか、この料理をつくると4人でできないからやめちゃえ、ってこうやってやるわけだな。

【村山】まさにそうです。

【正垣】それが生産性として表れるわけだろ。その次にね、成長するにはどうしたらいいかって言ったら投資なんですよ。今の店と同じ店を要所要所につくればいいんです。1000店舗をつくる必要はないですよ。そうやって標準化すると、悪い所が見えてくるわけ。

その次に、コロナとかで大不況が来るよね。何やるかっていったら、ゼロベースって言うんだけど、経費を全部ゼロから見直す。どれが必要か、必要じゃないかって。つまり減量なの。

一番美味しいのは「空気」

【正垣】次、それができて競争になったときに、競争に勝ち残るには商品が美味しくなければダメ。そこで一番大事なのは、生産性を確保すること。コックさんをタダで働かせるような昔の方法だと生存できないです。

【村山】まさにそうなんです。

【正垣】商品は安くて美味しくなきゃダメ。自分の所で原料からお客さんの口に入るまで、一番ムダをなくす方法取らなきゃいけない。

あなたの店は、今の規模だと1軒ずつ出したとしても、たぶん100軒ぐらいはできるよ。同じ形で同じことをやればいい。ただし、あなたと同じ考えに100%近い人を教えていく。それが大事なのよね。

【村山】本当にそう思います。

【正垣】俺はね、一番うまいのは空気だと思ってる。口の中に一番入るから。食っても食っても飽きないでしょ? 繰り返し繰り返し食ってもお腹がいっぱいにならないのは空気だから、これが理想なの。

空気の味に近づけるには、素材の一番いい味を出せばいい。それを出せることが、エネルギーに沿っているわけ。それぶっ壊さないで出すっていうところに、すごさがあるわけだよね。

【村山】まさにそうですね。