地域で生産した物産をその土地で消費する地産地消に対し、地域を飛び越え、首都圏や近畿圏等の大消費地、ひいては海外で物産が消費されることを指す。地産外商ともいう。
デパートの催事として地方物産展は強い集客力を誇り、東京にある北海道や沖縄などの人気地方アンテナショップは多くの買い物客で賑わっている。
一方、多くの自治体と包括協定を結び地域食材を使用した商品の開発・展開を進めるローソンのように、地産外消を自社戦略に取り込む企業も出てきた。
こうした地産外消の動向の裏側には、地域経済低迷や少子高齢化に直面し、存亡をかけて産業振興に取り組む地方自治体や地場企業の姿がある。例えば高知県では地域産品の販売や情報発信を行い、県内事業者や生産者を支援する目的で2009年に高知県地産外商公社を立ち上げた。10年中には都内でアンテナショップを開設する予定である。
同県の尾崎正直知事は「人口減少で胃袋の数が減り、高齢化で胃袋のサイズが小さくなる。1997年の県内商品販売額は約2兆円だったが、07年には2割も減少した」と語る。県内市場が縮小している以上、県外の大消費地に打って出る必要があるわけだ。
また、地方では農林水産業従事者の高齢化が進み、現状のままでは今の強みすら失いかねない。速やかに地域産品の販売を拡大し、次代を担う若者の就労を促さねばならないという事情もある。
大都市圏の消費者からみれば、地産外消は各地の特色ある産品を手軽に楽しむ機会を増加させる。現在の盛り上がりはしばらく続きそうだ。