裏ワザ4 無言で貫き通す

沈黙は「金」というが、無言で腕組みして一切何も答えないのだ。そのときに「じっとにらみつける」「顔面を引きつらせる」といったことを併せてやるとより効果的になる。

実は人事が面談でおそれているものの一つが「無言」で、「のれんに腕押し」状態はベテラン人事もどうしたらいいのかわからなくなるのである。わかったのか、わからないのか、何を考えているのか、まったくわからないので対処できず、音を上げてしまう。

本人が黙り込めば黙り込むほど相手は話しかけてくるものだ。そうせざるをえないのだ。なぜなら、本人は黙っていても何も困らないが、なんとか説得し了解を取りつけようとする相手(会社側)は焦りまくる。「何か言ってくださいよ。頼みますよ」と懇願するまでになる。

本人にとって一秒一秒が苦しく辛い。無限とも思える魔の時間だが、相手はそれ以上に苦しい。辛抱し我慢し耐え抜きたい。リストラされたときの大変さに比べれば、これしきはどうってこともないはずだ。この方法は「誰でも・簡単に・いつでもできる、失敗しない」方法だ。

ビジネスマンオフィスで働く口のファスナーを秘密
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裏ワザ5 常套句ですべて切り返す

事前にさんざん問答を練習していても雰囲気にのまれたり、相手に気後れしたりするので十分に返答できないことがある。それに備えて「常套句」をいくつか準備し、相手の問いかけに対して的外れでもなんでも構わないのでそれで答えよう。無表情で答えるとより有効だ。

「私は辞めません」
「それはなぜですか?」(どんな返事に対しても3回繰り返す)
「それはどういうことですか?」(どんな返事に対しても3回繰り返す)

何を言われても、単純にして明快なこれら3つの言葉ですませる。繰り返し繰り返しこの言葉を呪文のように唱えるのだ。私はこの言葉を「魔法の文句」と称している。ぜひ、ご活用を。この威力のほどを実地に試してください。

相手は付け込む隙を見つけようと、例えば「なぜ辞めないのですか?」と反応してくるが、そのときでも「辞めません」でOKなのだ。そして黙って相手の目を見るといい。

3つでも多いという人は、「私は辞めません」一つだけでも大丈夫。忘れないようにと、手のひらにマジックで書いた人もいます(笑)。

「辞めたくない、絶対に。辞められないんです。だから、何をされても何を言われても辞めません」。まさに「踏まれても蹴られてもついていきます下駄の雪」の心境だ。家族の顔を思い浮かべながら、ひたすら耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍んでいくのだ。