返せなくても、絶対にやってはいけないこと
給料や売り上げが減ってしまって、住宅ローンが払えない人が増えているせいか、銀行の窓口では相談する人の順番待ちで混み合っているところが出てきました。
住宅ローンは、返済が1日遅れただけでも、借りている銀行からは催促の電話がきます。督促状も届きます。これらの催促をそのまま放置しておくと、後々、大事になることは覚えておいたほうがいいでしょう。
銀行では、普通2カ月間支払いがないと、事故情報(延滞情報)が登録され、ブラックリスト入りしますが、中には1カ月支払いがなかっただけでも事故扱いになるケースもあります。
そうなると、「なんとかしなくては」と思い、自力でお金を工面しようとする人がいます。特に、年配の会社員の場合、体面もあるので「返せなくなりました」と銀行にはなかなか言えず、手軽に借りられるキャッシングなどでお金を都合して返すケースもあります。
「住宅ローンが返せない」からといってキャッシングに走ることは、絶対にしてはいけません。なぜなら、今月はなんとかそれで無事返済できても、来月、再来月とコロナ禍が長引けば、そのたびにキャッシングの残高も増えていくことになるからです。
安易なキャッシングの先には借金地獄が待っている
いったん下がった給料や収入は、よほどのことがない限り、すぐに元に戻ることはないと思ったほうがいいでしょう。
給料を下げるという決断に至るまでには、会社もかなりのダメージを受けているはず。また、取引先もコストカット意識が高まっているため、いったん取引を減らすと、すぐに従来どおりの仕事の発注はできないケースがほとんどだからです。
そうした厳しい状況の中で、住宅ローンが返せないからと安易にキャッシングに手を出すと、借金地獄にはまる危険があります。特にキャッシングの金利は15~18%と高利ですから、いったん借りると借金が雪だるま式に膨れ上がる恐れも。
一方、金融機関にとっても、「住宅ローンを返済するためにほかの金融業者からお金を借りて住宅ローンを払う」というのは、最もして欲しくないことなのです。
借りる相手が身内ならいいのですが、業者の場合、貸し付けの際に、住宅ローンの残っている家に二番抵当、三番抵当を付ける可能性もあり(一番抵当はお金を借りている金融機関が付けます)、そうなるとトラブルが起きやすくなって、のちのちの対処が難しくなるケースも。
余計なトラブルに巻き込まれないためにも、困ったらすぐに住宅ローンを組んでいる金融機関に相談する。今は、それがベストな方法です。