大切な家族を感染から守るにはどうすればいいか。『感染症専門医が普段やっている 感染症自衛マニュアル』(SBクリエイティブ)を出した感染症専門医の佐藤昭裕氏は「一人暮らしなら、外出から帰ってきたとき、トイレの前後、調理の前後、食事の前後で手を洗えば問題はないが、家族と同居している人は頻度を上げたほうがいい」という——。
物に付着した菌やウイルスの寿命とは
新型コロナウイルスも、「接触感染」するといわれています。「接触感染」とは、感染者の手などからモノへと菌やウイルスが移動し、そこに触れた手などを介して感染するという経路です。
たとえば、感染者Aさんが、自分の口や鼻に触れると、口や鼻の粘膜から手へとウイルスが移動します。その後、Aさんが手を洗わずに電車に乗り、菌やウイルスが付着した手でつり革につかまったとしましょう。
ここでAさんに付着していた菌、ウイルスの何割かがつり革に移動します。そのつり革に健康なBさんがつかまると、今度はつり革からBさんの手へと菌、ウイルスが移動します。そしてBさんが、手を洗わずに自分の口や鼻に触れると、手に付着していた菌、ウイルスがBさんの体内に侵入してしまうのです。
新型コロナウイルスは、人類が初めて出会うウイルスであり、まだまだ実体がつかみきれていません。
現時点で、新型コロナの生存時間は、「ダンボールの表面では約24時間」「ステンレス、プラスチックの表面では48~72時間」と示唆されていますが、さらなる実証研究が待たれるところです。