習近平主席の「国賓来日」を認めたままでいいのか

アメリカと中国の軍事的対立が激化するなか、日本はどう動いているのだろうか。

報道によれば、8月29日、河野太郎防衛相と米国のマーク・エスパー国防長官がグアムで2時間ほど会談し、中国のミサイル発射で緊張の高まっている南シナ海の情勢について、国際社会と連携して対応することで合意した。

国際秩序をまったく考慮しない中国に対し、国際社会と連携して対抗していくのは当然である。そして中国の無法ぶりに対し、日本も断固たる措置を取るべきだ。

具体的には、延期された習近平国家主席の国賓としての来日を正式に中止し、中国に猛省を求めるべきである。安倍政権の後に誕生する新政権にその決意を強く望みたい。

河野太郎防衛相とエスパー国防長官の会談では、日本が断念した地上配備型迎撃システム「イージスアショア」に代わるミサイル防衛網の新設も確認された。このミサイル防衛網構築の趣旨は、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮に対する軍事的備えである。

朝日社説の「両政府は自制する必要がある」という書き方は確信犯

9月4日付の朝日新聞の社説は「米国と中国の対立が軍事面での緊張に発展しつつある。これまでの貿易や先端技術などにとどまらず、安全保障の分野でも応酬が目立ってきた」と書き出し、こう主張する。

「双方とも限定的な牽制や示威を意図しているようだが、偶発的な衝突に陥るおそれは否めない。両政府は事態の危うさを認識し、自制する必要がある」

見出しも「米中軍事対立 緊張の連鎖を回避せよ」だ。

「偶発的な衝突」の危険性はよく分かる。だが、今回アメリカと中国の両方に自制を求めるのはどうだろうか。どう見ても悪いのは中国である。国際社会に批判されてしかるべきなのは中国なのだ。喧嘩両成敗には無理がある。

そう思って読み進めると、「いまの緊張を招いた責任の多くは、中国の側にある」と指摘し、その理由を「長年続けている軍拡路線に加え、近年は近海への強引な進出で周辺国の不安を高めてきた」と説明している。

朝日社説は分かっていながら書いている。確信犯である。