たった10%の少数意見を「国民の声」として垂れ流していいのか
確かに、表現の自由や、特に政治批判の場においては、少数の意見も大切だ。しかしそこでメディアがやるべきことは、少数意見は少数意見であることをしっかりと踏まえて、その声を政治や世間に届けることだ。当たり前のことだが、少数意見を国民の大多数の意見であるかのように伝えることは絶対にするべきではない。
特にマスメディアが陥るのは、自分たちの考えこそが絶対に正しく、国民大多数の声だと信じ切ってしまうことだ。権威を重んじる大手新聞社にその手が多い。
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こうしたメディアに接するだけでは、多くの国民が支持し納得するような意見に出くわす機会が極端に少なくなってしまう。メディアでの意見と、国民の考えがどんどん乖離してしまう。
安倍さんが辞任表明をした後の世論調査においては、安倍政権の評価は著しく高かった。総じて国民の7割ほどが評価している状況だ。それに対して、安倍政治を完全否定している国民の割合は10%ほど。
とすると、政治学者の白井聡氏をはじめ、これまでメディアに登場してきた安倍政治を完全否定する政治インテリたちは、この10%ほどの国民の声ということになる。つまりメディアは、国民の10%ほどの意見を、ずっと「国民の声」として垂れ流してきたことになるのだ。
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※本稿は、公式メールマガジン《橋下徹の「問題解決の授業」》vol.215(9月8日配信)の本論を一部抜粋し、加筆修正したものです。もっと読みたい方はメールマガジンで! 今号は《【提言!日本をよくする政治評価システム(1)】不足だけをあげつらう従来型の政治学者やメディアにはできないこと》特集です。