40代になると心の不調を訴える人が増える。これまで4000人以上のがん患者と向き合ってきた精神科医の清水研氏は、「私もしばらくうつ病の一歩手前という時期をさまよった。そこから立ち直れたのは、がんという病気と向き合ったクライエントの方々の教えだった」という――。

※本稿は、清水研『他人の期待に応えない ありのままで生きるレッスン』(SB新書)の一部を再編集したものです。

写真=iStock.com/Pornpak Khunatorn
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仕事のウェイトが大きい人ほど、中年期に心を壊す

人生の中盤に差し掛かると、それまでの自分自身を振り返るとともに、「このままでいいのか」という疑問が頭に浮かぶようになります。そして、これからの人生に対して不安や葛藤を抱えてしまい、精神的に不安定な状態に陥ってしまう人が少なくありません。

これが、「ミドルエイジクライシス(中年の危機)」、あるいは「ミッドライフクライシス」で、大体40代ぐらいからこの症状を感じる人が増えます。

この記事では、今ミドルエイジクライシスにある方々に向けて、人生の後半に「幸せな人生」を送るために必要なことを、私自身がクライシスに陥ったときの経験と、がん患者専門の精神科医としての知見から明らかにしていきます。

ミドルエイジクライシスに陥った場合、それまでに長年持ち続けてきた“幻想”とも言える考え方を手放す必要があるのですが、その“幻想”とは何なのか。

人は年を重ねるに従い、徐々に責任と仕事量が増えがちで、気がついてみたら、日々のルーチンをこなすことだけでもつらくなっていることがあります。

しかし、時代の変化についていくことも大変で、だんだん周囲に取り残されていると感じてしまいます。中間管理職にもなれば、上司と部下の間で板挟みになっているかもしれません。