成果主義が浸透する中、自己アピールしながらも、周囲とうまくやるという一見、二律背反するプレゼンが求められている。そんな「神技」は実際にあるのか!? 3人の仕事の達人に聞いてみた。

人気女子アナが教えるポジショニング術

<strong>TBSアナウンサー 出水麻衣</strong>●1984年、東京都生まれ。国際基督教大学高等学校卒。2006年上智大学外国語学部英語学科卒業後、同年TBSに入社。TOEIC980点、英検1級、教職免許(英語)を取得。現在「NEWS23」のほか、「オビラジR」などの番組にも出演している。
TBSアナウンサー 出水麻衣●1984年、東京都生まれ。国際基督教大学高等学校卒。2006年上智大学外国語学部英語学科卒業後、同年TBSに入社。TOEIC980点、英検1級、教職免許(英語)を取得。現在「NEWS23」のほか、「オビラジR」などの番組にも出演している。

TBS入社1年目にして夜の人気報道番組「NEWS23」に大抜擢され、天気コーナーを経て、今年からはスポーツコーナーを担当する爽やかな笑顔のアナウンサー、出水麻衣さん。

番組では重鎮たちに囲まれながらも上手に自分のポジションを考え、絶妙な雰囲気をつくり出している。どんな秘訣があるのだろうか。

「スポーツコーナーは、直前までのニュースの流れをガラリと変えて、元気でプラスになるようなアップテンポにする狙いがあり、明るく元気にやっています。『スタジオに入ってくるだけで、空気が変わって明るくなるね』と言っていただけるようなポジションをめざしています」

もちろん、経験不足ゆえの失敗もあった。かつて不得意な分野に関するニュース原稿を読んだときのことだ。

「内容を完全に理解しないまま用意された原稿を読んでしまったときに、『わかっていないで読んでいる』と指摘されたことがあります。そういうことが簡単に伝わってしまうのだと深く反省しました。 知識のないまま読んでしまうと視聴者に伝わらないし、書いてくださった記者の方、VTRを作ってくださった編集の方にも失礼です。そこでそれからはできる限り下調べをする時間を取ったり、詳しい方に尋ねたりして理解するよう心がけています」

出水さんがコミュニケーションにこだわるのは、思春期に苦労した言葉の環境とも無縁ではない。17歳のとき、「伝わるって、こんなに楽しいんだ」と実感したことがある。10歳から高二の夏まで父親の仕事の関係で米国に暮らした。