それって夢があるでしょ

【堀江】それはわからないけれども、隣の恒星系にある地球型の惑星を直接観測して、海と陸地があるかどうかぐらいはわかりますよ。それって夢があるでしょ。

堀江貴文氏

【三戸】夢を実現するために、ISTもパワーアップしなくちゃいけませんね。何が必要ですか。

【稲川】まず人材ですね。エンジニアはもっとほしい。ロケットにはターボポンプとかエンジンとか難しい部品があって、それらを軽量化する構造を作れるエンジニアがほしいです。実は、それは宇宙をやっているエンジニアに限らなくていいんです。たとえば、ターボポンプは自動車のターボチャージャーという機械にすごく近いし、ロケットエンジンは飛行機のジェットエンジンに近い。だから、自動車や飛行機とか、宇宙以外の業界から来てもらっても即戦力です。

【堀江】今来たら、まずロケットエンジンの新規製作に関われますよ。さらに、さっきの超巨大アンテナみたいな世界初のことに関われる可能性が高い。そういう職場は、なかなかないと思う。

【三戸】資金はどうですか。

【稲川】エクイティ(株式資本)は当然募集しています。それ以外にも、個人でも企業でも、IST本社がある北海道の大樹町にふるさと納税すると、それがロケットの発射場の整備に使われる枠組みを大樹町につくってもらいました。これは画期的だと思います。

さらに企業が自分のペイロード(荷物)を、リーズナブルな価格で宇宙に運べる広告の仕組みもあります。最初に利用していただいたのはレストラン。ハンバーグを運んで、お店では「宇宙に行ったハンバーグ」と銘打って提供しているそうです。あとはロケットの火でお菓子を焼いたり、日本酒を燃料にしたり。いろいろ利用していただいています。

【三戸】クラウドファンディングもやっていますよね。

【稲川】最近の5号機はゴールデンウィークの延期のときに募集しましたが、2400人の方から4000万円集まりました。すごくありがたい。

【堀江】一回見にきてほしいですよね。今は人や機械が増えて、秘密基地感が満載です。きっと一緒に夢を見たくなりますよ。

(構成=村上 敬 撮影=的野弘路)
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