日本の民間企業が単独開発したロケットで初めて宇宙空間到達に成功させた、インターステラテクノロジズ。ファウンダーの堀江貴文氏、代表取締役の稲川貴大氏らが、今後のロケットビジネスの戦略を語った。

僕らのロケットはスペースXと違う

【三戸】宇宙ビジネスのビッグニュースといえば、2020年5月にアメリカの宇宙開発企業・スペースⅩの宇宙船「クルードラゴン」が2人の宇宙飛行士を乗せて、ファルコン9ロケットによって打ち上げられました。民間企業初の宇宙ステーションへの有人宇宙飛行でしたね。

(写真左)インターステラテクノロジズ 社外取締役 三戸政和氏(中)インターステラテクノロジズ ファウンダー 堀江貴文氏(右)インターステラテクノロジズ 代表取締役 稲川貴大氏
(写真左)インターステラテクノロジズ 社外取締役 三戸政和氏(中)インターステラテクノロジズ ファウンダー 堀江貴文氏(右)インターステラテクノロジズ 代表取締役 稲川貴大氏

【堀江】有人宇宙飛行の話をするには、まずスペースシャトルから話さないとね。スペースシャトルはNASAが2011年まで打ち上げていた有人宇宙船で、世間ではスペースシャトルは夢のロケットみたいなイメージがあると思うけど、あれは間違いなく失敗。スペースシャトルは政治的な妥協の産物です。

【三戸】どういうことですか。

【堀江】人類を月面着陸させる「アポロ計画」ってあったでしょ。ICBM(大陸間弾道ミサイル)とロケットは、構造がほとんど同じで、まずソ連が開発してシベリアに落として、アメリカを核ミサイル攻撃できることを示した。衝撃を受けたアメリカもアポロ計画を打ち出して宇宙開発をした。安定的にロケットの打ち上げができることが、軍事力を測るバロメーターになるからです。本当は月に行っても意味がないんだけど、政治的にそうなった。