おぼろげに見えてきた小池氏の国政復帰シナリオ

最後に「自公」VS小池氏という構図が今後、どういう展開になるのか占っておきたい。来年7月に東京都議選が行われる。前回の2017年の都議選では、人気絶頂だった小池氏が率いる「都民ファーストの会」が圧勝。現有の6から55に伸ばす歴史的な大躍進を遂げ、自民党は大敗した。

来年の都議選では、さすがに「都民ファースト」は議席を減らし、自民党が盛り返すとの見方が大勢だ。だからこそ小池氏は都知事選で自民党との関係修復をはかり、都議会の運営に支障をきたさないようにしようとした経緯がある。

しかし、ここへ来て小池氏は戦略を変えつつあるのではないか。都知事選では予想以上の得票で圧勝できた。彼女は、自民党のおかげで勝ったとは微塵みじんも思っていないはずだ。そして、都知事選後の政府・自民党とのバトルでは自分の方に世論がついていると考えているだろう。

だとすれば、もう一度「都民ファースト」の陣形を立て直し、来年の都議選では自民党との全面対決の構図をつくり、最終決戦を目指すという選択肢が見えてくる。さらにその先には、小池氏の国政復帰というシナリオも見えてくるだろう。最近の小池氏への政府への敵対的な姿勢は、このシナリオを意識したものではないか。

それは、政局としては実に見応えのある展開ではある。しかし、来年まで政府と首都がコロナ対応を巡り対立しつづけるということになれば、それは国民にとって不幸なことだ。

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