在宅勤務中心のリモートワークで、通勤する必要がなくなり、消費者の美容意識は大きく変わった。マスクで口を覆う機会も増え、特に女性の消費は顕著だった。

筆者の取材でも「最近は口紅もファンデーションも一切買っていません」(20代の女性会社員)という声が寄せられたが、具体的な調査記事もある。

東洋経済オンラインでは「コロナで『売れた』『売れなくなった』商品TOP30」(筆者=伊藤歩氏)という記事を5月8日に発信。それによれば、売り上げ金額の減少2位が口紅(4月第2週で前年比27.5%)だった。

ドラッグストアのマツモトキヨシとトモズでは、自粛期間中にセルフカラー剤の売り上げがいずれも2桁伸びたという報道もある(WWD、6月5日)。こうした当時の消費者事情も勘案すると、ヘアカラーの購入意欲は高かったのだ。

ネット通販の売り上げは増加

マンダムは、こうも話す。

「一方、ECの実績は上がっており、実際に白髪が目立って、これまで美容院や理髪店で染めていた人が、インターネットを通じて購入したことが推察されます。また、自宅で過ごす時間が増えたことで、『自分磨き』や『新しい身だしなみ行為へのトライアル』の意識が高まり、白髪染めをインターネットで購入した人も増えたのではないか、と考えています」

「新しい身だしなみ行為へのトライアル」では、今月、東京都内の美容師から興味深い話を聞いた。「この機会に髪を伸ばす女性が増えた」という。男女を問わず、美容院・理髪店に行けない時期を前向きにとらえた人が一定層いた。

もともとネットでの売れ筋には「実店舗では買いにくい商品」も多い。中高年男性向けは精力剤や育毛剤だ。それらに比べると染毛剤(ヘアカラー)は、店頭で買う抵抗感が少ないが、非接触型のご時世でネット販売が伸長したのだろう。

ただし、在宅勤務でも「白髪染めで明るいカラーリングを楽しむ」男性は少ない。小売店の店頭でも、例えば「ナチュラルブラック」や「アッシュブラウン」など、ブラック系やブラウン系が売れ筋の色味だ。