法定協議会で「勝つ」ための出直し市長選挙
そこで僕は2014年3月に、大阪市長を辞職して出直し市長選挙に打って出た。
このときの公約は「大阪都構想の案を協議している法定協議会に、建設的な協議をまったくせずに最初から最後まで反対しか言わない委員が多数存在するが、今後は建設的な協議ができる委員に入れ替える」というもの。
要するに、大阪都構想に反対する委員を、賛成する委員に入れ替えるというものだった。
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まあ「ルールの盲点」を突くやり方だったんだけどね。
この委員の入れ替えは、僕が出直し市長選挙なんかやらなくても、議会のルール上、維新主導でやろうと思ったらできる。でも、それをそのままやったら、それこそ非民主的な独裁政治になってしまう。
だって少数の賛成派が、多数の反対派の委員を追い出して、賛成派に入れ替えるなんてことは、やっぱり民主主義に反するからね。非民主的な国でこんなことをやろうとすれば、必ず殺し合いをやって決することになるだろう。僕がやろうとしていることは、それに等しいことだ。
だからこそ、僕は大阪市長選挙で決することにした。まさに殺し合いに代わる選挙で。市長任期1年を残しての市長辞職、そして出直し選挙。
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選挙結果は、僕が当選。
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大阪維新の会は本会議においては過半数を制していないにもかかわらず、議会のルールと議会の慣例を駆使して、法定協議会の委員を賛成派多数の委員構成にすることに成功し、大阪都構想の案を完成させることができた。
ついに2014年7月、法定協議会は大阪都構想案を賛成多数で可決した。