公明党は選挙結果を尊重してくれる政党だ。まあ、ここは当時、翌2012年か2013年かに行われるだろう衆議院議員総選挙を見越しての政治取引があったんだけどね。

僕ら大阪維新の会は、公明党の国会議員が存在する関西6選挙区には候補者を立てない。その代わり公明党には大阪都構想に協力してもらう。バリバリの密約。

メディアや学者やコメンテーターのインテリたちが、これは裏取引だ! 府民・市民不在の密約だ! 大阪都構想の中身についてはどうでもいいのか! などとどんなに批判しようとも、これが政治の現実。

相手がどうしてもウンと言ってくれないことをウンと言わせるには、民主国家においては、最後は選挙の力を使うしかない。

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維新と公明の蜜月によって、このまま大阪都構想の話がとんとん拍子に進むかと思いきや、そうは問屋が卸さない!!

2013年は、僕の政治手法に、世間からものすごい猛批判が起きたし、日本維新の会も内部のごたごたでうまくいかない。まあ政治なんて、世間からの支持と批判の繰り返しで、この波はほんと激しいよね。

大阪都構想についてもメディアは批判一色。

現在の大阪府・大阪市の体制と、新しい大阪都構想の体制を比べてみて、どちらがベターなのか、という比較優位の議論をせず、大阪都構想の問題点ばかりをあげつらう。他方、現在の大阪府・大阪市の体制の山ほどある問題点には完全に目をつぶったまま。

そりゃ、社会制度なんて100%完璧なものはないよ。問題点を指摘すれば、いくらでも出てくるもの。

ただそんな中、現状の制度と新しい制度とどちらがましなのか、を比べるのが政治の選択というものだ。その際、ましな方を選んだなら、それに引っ付いてくる問題点には目をつぶらなければならない。これが本来の政治選択なのに、メディアは新しい制度の大阪都構想の問題点だけをあげつらう。

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そうなると有権者は、大阪都構想を問題だらけのマズイもののように感じてしまうよね。

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こんな感じで、僕に対する支持率も下降するし、大阪都構想に対する市民の反対論も強くなってきた。

こういうときの公明党は凄い。世間の状況を的確に捉え、機を見るに敏、徐々にスーッと僕らから離れていくんだよね(笑)

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