吉村バブルに乗り切れず

新型コロナウイルス対応で人気が急上昇し、「将来の総理候補」との声もあがるようになった大阪府の吉村洋文知事。その「吉村バブル」に沸く大阪府は11月に「大阪都構想」の是非を問う住民投票を実施予定で、吉村氏が代表代行の地域政党「大阪維新の会」は悲願を成就できるか否かの重要局面を迎える。

だが、その足を引っ張りかねないのが大阪以外の「維新」の動向だ。吉村氏の人気に便乗して日本維新の会は「全国展開もいってまえ」とばかりに鼻息は荒いが、7月5日の東京都知事選と都議補選では大惨敗。その戦い方もすがすがしい「大阪維新」流ではなく、他候補の批判に終始して手前味噌で「善戦」を強調するようなチャラいもので、その「KY=空気が読めない」ぶりに首都の人々はNOを突き付けた形となった。5年ぶりとなる住民投票まで4カ月を切る中、首都敗北はフワッとした「吉村バブル」という期待感の喪失につながるのか。その影響は決して軽くはなさそうだ。

東京都知事選に立候補を表明し、記者会見で写真に納まる小野泰輔氏(中央)。右は東京維新の会の柳ケ瀬裕文代表、左は音喜多駿副代表・政調会長=2020年6月9日、東京都庁
写真=時事通信フォト
東京都知事選に立候補を表明し、記者会見で写真に納まる小野泰輔氏(中央)。右は東京維新の会の柳ケ瀬裕文代表、左は音喜多駿副代表・政調会長=2020年6月9日、東京都庁