日本人を対象としたランダム化比較試験もあります。オメガ3脂肪酸の一種である「エイコサペンタエン酸(EPA)」を摂取した人は、摂取しなかった人よりも心筋梗塞の発症やそれによる死亡のリスクが、19%も低下したそうです。さらに、21個の観察研究のデータを統合解析したメタアナリシスでも、魚からオメガ3脂肪酸を1日0.1グラム摂取していた人は、乳がんになるリスクが低下したと報告されました。

魚の摂取量(オメガ3脂肪酸換算)と乳がんのリスクの関係

オメガ3脂肪酸は、マグロやカツオ、サンマ、イワシ、アジ、ブリのように背中が青い、いわゆる青魚に多く含まれる不飽和脂肪酸の一種。例えば、脂の乗ったマグロの「トロ」は、オメガ3脂肪酸の宝庫といえるでしょう。ちなみに、アマニ油、エゴマ油など植物由来のオメガ3脂肪酸もあります。

つまり、青魚を毎日のように食べていれば、心筋梗塞や乳がんにかかりにくくなる可能性が高いわけです。毎日の献立の中に、青魚をなるべく採用することをお勧めします。なお、オメガ3脂肪酸の場合、それを含んだサプリメントもよく出回っていますが、魚は、ほかの栄養素も豊富なので、できれば魚を丸ごと食べましょう。

牛肉、豚肉、鶏肉、体に悪いのはどれ?

肉は極めて旗色が悪いのが現状

肉食派の皆さんにとっては残念ですが、健康に対する効果という点では、肉は極めて旗色が悪いのが現状です。

赤い肉と白い肉

有名になったエビデンスは、世界保健機関(WHO)の専門組織である「国際がん研究機関」が、2015年に発表したレポートでしょう。その中で、世界各国の研究データに基づいて、加工肉を「発がん性あり」、赤い肉も「おそらく発がん性あり」とリスク分類したのです。加工肉の発がん性のリスクは、タバコやアスベストと同じランク。ここで注意が必要なのは、このランクはがんとの関連性の「確からしさ」によって決まるのであり、影響の強さは関係ありません。つまり、発がん性があるという強いエビデンスがあるものの、リスクをごくわずかしか上げないと報告されているものもあるので、ランクだけで一概に評価することはできません。

この「国際がん研究機関」のレポートによると、加工肉の1日当たりの摂取量が50グラム増えるごとに、大腸がんのリスクが18%上がると報告されています。また、赤い肉を1日100グラム摂取していると、大腸がんのリスクが17%増えるとされました。国立がん研究センターの研究者が、日本人約8万人を8~11年追跡調査した研究でも、加工肉や赤い肉の摂取量が増えるにつれ、結腸がんのリスクが高まる傾向だったそうです。