週40時間もマネジメントに使う必要はない

では次に、マネジメントについて考えてみよう。なぜ、マネジメントが仕事の邪魔になるのだろうか?

マネジメントは本来、仕事に欠かせないものだ。ただしミーティングと同じく、多すぎると害になる。進捗状況を10分かけて説明したら、その10分は作業ができないからだ。せっかくの集中が、声をかけられるたびにぶち壊しになる。

それにミーティングはたいていマネジャーが開くものだから、マネジャーがいるだけで仕事の邪魔がいっそう増えることになる。

そもそも、1日中マネジメントをやろうとすることに無理があるのだ。マネジャーは部下の管理が仕事だから、必要なくてもそれらしい仕事を見つけだしてくる。形だけの定例ミーティングや、無駄に多すぎる進捗確認、必要もないのにおこなわれる企画会議。マネジャーの1週間は、そうやってすぎていく。

もちろん、部下の進捗を管理するのは重要な仕事だ。ただし、週に40時間もかかる仕事だとは思えない。せいぜい10時間がいいところだ。それなのに、ほとんどのマネジャーは、やることがないという事実を認めようとしない。だから、わざわざ無駄な仕事をつくりだすのだ。

リモートなら「マネジャーの邪魔」が入らない

リモートで仕事をすれば、マネジャーは無駄に仕事を増やせなくなる。

従来の職場では、メンバーたちを会議室に連れ込んだり、席に立ち寄って進捗を聞いたりしても、とくに記録は残らない。邪魔をしているという事実が見えにくいのだ。おかげで、メンバーたちは四六時中マネジャーの暇つぶしにつきあわされることになる。

でもメールやチャットを使ってリモートでマネジメントをする場合は、もっと目的意識が明確になる。だから、おかしな暇つぶしに邪魔されることなく、仕事が進められるのだ。

リモートワークの世界にも、ミーティングとマネジメントは必要だ。

ただし、すべてがオンラインの記録に残るので、どれくらい頻繁におこなっているかを嫌でも意識することになる。

ミーティングとマネジメントが減ってくれれば、みんなもっとハッピーになるはずだ。