【編集部】では、最近の環境についてお聞きします。特に昨年に起きたサブプライムショックの影響はいかがでしたか。
【東】僕を含め、収益物件を持つ個人投資家へのダメージは少なかったと思います。ただし、キャピタルゲイン狙いのデベロッパーなどは別。ファンドに売却する目論見で土地を仕込んでも買い手がつかず、塩漬けになっていると聞きます。
【山】私も深刻には受け取っていません。むしろ昨年のいま頃は金利上昇が既定路線と言われていて、借入金主体で投資している私にとってはキャッシュフローが削られる覚悟をしていましたから、それが先延ばしになってホッとしています。一方、デベロッパーは厳しいようです。私が住む東海地方でも、新興上場企業が一昨年、昨年に高値で買い集めた土地を売却しようと必死です。ファンドが買ってくれると思って建てたのに入居率が20%程度で、売るに売れない新築マンションもあるようですから。さらに悪いことに、家賃保証や滞納保証会社が破綻して夜逃げしたケースもあったようです。
【赤】転売が目的なら、時すでに遅しでしょう。国内デベロッパーが土地をもてあまし気味なのは確実で、昨年12月頃から当社にもかなり持ち込みが目立ちます。マンション分譲のいわゆる「新々価格」も、都心や湾岸から郊外圏まで伝播しましたが、郊外にいくほど購入負担力に限りがあり、新々価格についていけなかったようです。昨年初めに破格の高値で土地を仕入れた業者が、数カ月後には損失覚悟の減額売却に転じていましたね。