ライフプランの変化に対応できる「1年組み立て保険」

定期保険は、保険期間内に万一のことがあれば保険金を受け取ることができ、逆になにもなければそれで終わりというシンプルでわかりやすい掛け捨て保険だ。

FP20人が選ぶ商品ランキング

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FPアンケートで第1位となったのは、損保ジャパンDIY生命の「1年組み立て保険」。保険期間が1年で、毎年更新していくというものだ。これは、従来のタイプとは大きく異なる。小栗悟氏は「ライフプランの変化に合わせて、こまめに保障額を見直すことができ、保険料の無駄を省くことができます」とこれを選んだ。清水香氏も「自分の都合で1年単位で見直せる。必要な分だけ買える合理性。かつ、1年定期なので保険料も安い」と指摘する。内藤眞弓氏もいうように、1年更新なので子どもの進学や卒業、貯蓄の増加、住まいの購入などに応じて保険金額を増減することができるのだ。

ところで1年更新の場合、保険の更新時に保険料がアップすることも考えられる。しかし、FPの間ではむしろ、メリットの大きさのほうが評価されているようだ。「保険料が年々上がることを嫌う人は多いですが、年齢が上がっても保険料が上がらない保険は若い世代にとってはむしろ不利」(浅田里花氏)、「死亡保障は、子どもの成長に伴って減らしていくべき。子どもが社会人になる都度、保障額を減らすことができる『1年組み立て保険』は、50代にこそ向いている」(深田晶恵氏)などの意見があった。

「1年組み立て保険」は、毎年、保険と向き合い、その都度、自分に合った保障額に見直せるチャンスに恵まれていることが魅力のようだ。今回のランキングの決め手は、ほとんどが「保険料の安さ」だった。そんな中、「1年組み立て保険」は、1年ごとに見直せる自由度、合理性からトップに選ばれている稀なケースといえる。

三重のチェック体制で
不払いなき商品を追求するライフネット生命

同じく1位になっているのが、「ファインセーブ」(オリックス生命)だ。これは、純粋に割安感から選ばれている。「解約返戻金がないので保険料が安い」(井畑敏氏)、「定期の中では、保険料が割安。ただし、最近は他社のネット専用商品で競合のものも発売されている」(岩永慶子氏)、「保険料が安い」(神戸孝氏)、「保険料が割安。さらに死亡保障2000万円以上なら割引制度あり」(田中美子氏)と、圧倒的に安さが決め手となっている。

3位は、「かぞくへの保険」(ライフネット生命)。「保険期間10年の場合、30代、40代では、他社と比べて保険料が安い」(小川千尋氏)、「解約返戻金や配当金をなくし、しかもネットによる直接販売で保険料を安くしている」(汀光一氏)という具合に、これも決め手は安さにある。

なお、柳澤美由紀氏は、「会社のスタンスに共感しています。保険を本来の姿に戻したいと、特約などのオプションを一切なくし、わかりやすい約款にしています。さらに、保険金の支払いに三重の体制を敷いて、不払いのない商品を追求しているところも信頼できます。現在は、違う保険に加入していますが、見直すなら真っ先に検討したいと思っています」と、割安さ以外の魅力を指摘している。

4位は、アリコジャパンの「定期保険(非喫煙優良体料率)」だ。「リスク細分型保険料率があり、非喫煙者はダントツに保険料が安い」(亀甲美智博氏)。

さらに、藤井泰輔氏は、具体的な数字で示してくれた。50歳男性の非喫煙者の場合、保険金額2000万円、保険期間20年で保険料は月1万1660円。安さで有名なファンセーブなら1万5600円、ライフネット生命なら1万7114円。圧倒的に、アリコの非喫煙優良体料率が安い。ただし、審査基準が厳しいとか。親が60歳以前に三大疾病で亡くなっている場合、加入できないことになる。健康体ならではの、安さの保険といえる。