公的介護保険制度の今後の成熟によって商品の充実が見込める
まさしく、介護状態になったときに給付金が支払われるというのが介護保険。しかし、この介護状態をどう認定するのかが、当保険のネックになっているようだ。「公的介護保険の認定に連動するタイプも出ていますが、総じて支払い要件が厳しい。加入の優先順位は低い保険」と、浅田里花氏が指摘するように、介護保険は不要とする意見が最も多かった。
「特に入りたいものはありません。資産運用と家計管理で余裕資金を蓄えていたほうが賢明」とは、柳澤美由紀氏。さらに、不要論の岩永慶子氏は、こんな代替案も提案する。「介護保険に加入するのではなく、ソニー生命やプルデンシャル生命のナーシングケア特約を付帯する(特約料無料)。終身死亡保険に付帯することで、要介護4もしくは5の状態になったときに、死亡保険金の一部を年金として受け取れます」。
2位は、「介護MASTER」(アメリカンファミリー生命)と「終身介護保障保険」(ソニー生命)だ。
「介護保険は保険料が高いわりに、給付金をもらえる可能性が限りなく低い。加入したいとは思いませんが、例外ともいえるのがアメリカンファミリー生命の介護MASTER。介護年金額は最大でも年24万円と低い分、保険料も安い。病気やケガによる介護状態や高度障害状態も給付対象なのが特徴です」(深田晶恵氏)。しかし、介護年金年24万円くらいなら、手持ちの資産でカバーできそうだ。深田氏は、資産形成のできている50代には、やはり不要ではないかと指摘する。
「終身介護保障保険」については、「介護保険の中では、最も充実している保障内容」「要介護2のレベルで支払われる」「介護にならなかった場合の掛け捨て額が他社より比較的少ない」などから、選ばれた。
4位「LONG-TERM CARE」(アリコジャパン)は、「痴呆も保障される。保障の充実度が高い。ただし、介護判定が不鮮明」(神戸孝氏)。「賢者の備え」(アクサ生命)は、「介護状態になれば、死亡保険金と同額の保険金を受け取れる。解約返戻金もあり、さまざまなケースに対応可能」(亀甲美智博氏)。「Live Lead」(あいおい損保)は、「軽度の介護から保障。介護状態が続く限り一生涯の保険金」(関根芳美氏)、「介護のちから」(損保ジャパン)は、「要介護2から保障対象。要介護にならないための予防や健康増進など、介護についてのトータルな支援サービスもありがたい」(松浦建二氏)といったことから選ばれている。
「介護保険の潜在的需要は高いと思いますが、商品数はまだ多くなく、これからの保険といえます。公的介護保険制度が未成熟なため、それに連動する介護保険の内容も今後、大きく変わる可能性もあります」と松浦氏。
これが、現在の介護保険の実態のようだ。まずは、しっかりと様子を見ていきたい。