外せないポイントは手元資金を年金で受け取る「安心の確保」

個人年金保険は、老後、一定年齢になったとき、年金で保険金を受け取れる。変額タイプに対し、加入時に受け取る年金額が決まっているのが定額タイプだ。しかし、ランキングの1位は、圧倒的多数で入りたい保険は「なし」。

FP20人が選ぶ商品ランキング

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「コストが高く、収益面での魅力がない。資金の柔軟性もない」(浅田里花氏)、「加入時の予定利率で将来の年金額が決定してしまうため、予定利率が低い現在、定額型に入るメリットはない」(井畑敏氏)、「コストが高く、利用価値はない」(内藤眞弓氏)、「現在の金利下では検討の候補に入っていない」(古川徹氏)と厳しい意見が寄せられた。

そんな中でも、ランキングのカウントには含まれないが、妥協案がささやかに挙がった。「積み立てで年金所得控除を活用するとして、ソニー生命なら多少利率がいい」(岩永慶子氏)、「利率の高い外貨建てなら、検討の余地はあるかも」(小川千尋氏)、「あえて選ぶなら東京海上日動あんしん生命かアメリカンファミリー生命」(関根芳美氏)。

2位の「個人年金保険」(東京海上日動あんしん生命)には、「若干優位性が高い」(神戸孝氏)、「仕組みはほぼ同じなので、利率が最大のポイント。国内大手で利率の高い保険会社もあるが、販売スタイルに問題があることから損保系に」(田中香津奈氏)。

3位は「年金名人EX」(日本生命)。「利回りがいい。配当余力に期待」(八ツ井慶子氏)、「予定利率が低いいま、加入メリットはあまりないが、65歳まで他の金融商品で運用し、65歳時に保証期間付終身年金に一時払いで加入。公的年金の補完をするのもひとつ」(汀光一氏)。

4位の6つは外貨系が連なる。「スリースターズ プラスW」(AIGスター生命)は、神戸孝氏が「米ドルなど外貨三通貨が選べ、利率も高い。積立期間満了後、円に換金できる」という理由でチョイス。「えんドル君※」(AIGエジソン生命)は、「予定利率の高い外貨建てを選ばない限り、年金保険の意味はまったくない。長期資産運用なので、ドル建てでもドルコスト平均法がきき、リスクは低い」と、亀甲美智博氏が選んでいる。「シリウスハーモニー」(アリコジャパン)は、小栗悟氏が「円以外の通貨で運用することができ、国際分散投資で老後資金を準備できる」と挙げている。

同じく4位の「個人年金保険」(ソニー生命)は、保険料の一時払いができ、契約から年金受け取りまでの期間が短い年数(2~6年)で設定できるとして藤井泰輔氏が選んでいる。「現在の金利状況下での活用は、手元資金を、年金で受け取ることで安心を確保する目的で使うべき。そのためには、払い込みは一時払いか短期間に設定し、支払い終了から年金受け取りまでの据え置き期間を短くすべき」(藤井氏)。不要論も多いが、加入ポイントを外さなければ使いようもあるようだ。