自粛生活を経て得た個々の活力

2020/5/25
ここまで休園が長引くと、幼稚園が再開するのが逆に億劫だ。
チョコレートの品ぞろえが悪く、美味しくない。おいしいチョコ置いてほしい。
2020/5/27
メロンソフト美味しくて大好きだけど、一個で300キロカロリー越えはダイエット中の身にはこたえる。コーンなしのメロンアイスだけバージョン作ってほしい。

自粛生活が長引く中で確立されていった生活パターンをリセットすることへの億劫さが表れています。その一方で、この方はお菓子好きな側面が見受けられ、コロナ禍の中で外食や不要不急の買い物を控えた自粛生活を送られてきたことがうかがえるので、自粛解除後にやっと普通に買い物に行って、好きなアイスクリームやお菓子を買うことで、生活の中にささやかな楽しみを見出している姿が浮かび上がってきます。

こうして、ある一人の生活者の生声を一連の流れで見てみると、2月末から約3カ月にわたるコロナ禍による自粛生活を経て、生活者がそれぞれの生活の中で、ささやかな願望や楽しみを見いだし、個々の活力を高めようとしていることが分かります。

ちなみに、弊所が4月から実施している『新型コロナウィルスに関する生活者調査』でも、「来月は生活のどのようなことに力を入れたいか」を聴取しています。4月調査と5月調査の結果を比較すると、「友人・恋人との交流」(32.8%→58.8%)、「趣味・遊び」(44.9%→66.7%)、「買い物」(44.1%→63.7%)など、多くの項目で前月の結果を上回りました。生活者全体でもさまざまな活動への欲求が高まっているようです。

自然に発せられた声を分析する価値

弊所が実施している通常の定量調査でも、回答として寄せられた生活者の生声を分析することはよくありますが、それはあくまでも1つの質問に対しての回答であり、生活者の意識の一面だけを集約したものになっています。今回、1人の生活者の、誰に聞かれたでもなく自然に発せられたなまの声を時系列でみることで、人にはさまざまな側面があり、不満のような後ろ向きな気持ちも前向きな気持ちも両方抱え、揺れ動きながら生きているのだ、ということに改めて気づかされました。

ビッグデータでありながらも、ミクロな側面での生活者の生活の変化や、自然に発せられた生の声ゆえに、ライフイベントで起きた心境の変化を時系列に追うことができる。今回は女性の生活面における心境変化を分析しましたが、有職者の働き方に対する意識など、コロナ禍によって変化が大きそうな切り口での分析もありえそうです。このようにビッグデータをさまざまな切り口で掘り出し、浮かびあがってくる生活者の実態や深層心理をあばくことが、デジノグラフィの醍醐味の一つです。

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