私は世間に「記者クラブ廃止論」があることを十分承知している。記者クラブ問題に関する安倍首相の回答があった後も、記者クラブが行動していないことも知っている。正直なところ、「情けない」と思っている。
それでもなお、私自身は「記者クラブ廃止論」に与することを躊躇している。なぜなら、理想のゴールは「記者クラブに関する日本新聞協会編集委員会の見解」ですでに示されているからだ。
求められる記者クラブの変革
一番の問題は、内閣記者会が理想に近づくための行動を起こさないことだ。このままでは、私もまもなく「記者クラブ廃止論」を唱えることになるだろう。
記者同士の対立で得をするのは、一体誰なのか。記者であればわかるはずだ。
今はまだ、形だけとはいえ「主催権」が残っている。すでに徳俵に足がかかった状態だが、まだ間に合うかもしれない。
しかし、内閣記者会が行動せず、多くの人が「記者クラブは権力側と共犯関係にある」と認識した時、記者クラブメディアは死を迎える。このまま権力の広報機関として「同化」する道を選べば、記者クラブは「国民共通の敵」となるからだ。