共同調査で明らかになった日本企業の立ち遅れ
BCGとグーグルが共同で、日本、欧州、アジア・パシフィック、南米の各地域で200社以上を対象に、デジタル・マーケティングの活用状況を調査した結果、残念ながら、日本企業はすでにデータ・ドリブン・マーケティングでかなり立ち遅れていることが明らかになった。
この調査では、「デジタル・マーケティング成熟度」を定量化し、次の4段階に分類した。
第1段階(Nascent)は、マーケティング・キャンペーン単位での取り組みが行われている。主に外部データを使用し、自社データはほとんど活用できていない。運用型広告もほとんど用いておらず、売り上げと結びつけた取り組みになっていない。
第2段階(Emerging)は、自社データや自動入札をある程度活用しているが、マーケティング活動はチャネルごとの最適化にとどまっている。
第3段階(Connected)は、オンライン・オフラインのデータの一部が統合され、売り上げや利益の最大化に向けたチャネル横断のマーケティング活動ができるようになっている。
第4段階(Multi-moment)は、あらゆる顧客接点を活用しながら、個々の顧客のLTVの向上を目指して、アジャイルなマーケティング活動ができている。
分析の結果、日本の調査対象企業(34社)のうち73%が第2段階、24%が第3段階となった。欧州(第2段階が50%、第3段階が44%)やアジア・パシフィック(それぞれ48%と42%)と比べて、かなり後れをとっていることがわかる。
さらに、日本企業が抱えている課題として、「複数の消費者接点にわたるデータの関連付けができていない」(91%)、「マーケティング・プロセスの自動化がなされていない」(67%)、「価値がどの消費者接点に由来するかを特定できていない」(78%)、「機能横断の連携が適切に行えずにいる」(61%)という回答が得られた。
ここから、依然として従来型のマス・マーケティングや広告代理店への依存度が大きく、データ・ドリブン・マーケティングの組織能力を内製化しきれていない傾向が読み取れる。