受験勉強、小説、落語からマニフェストまで……すべてはこのノートから始まった。「試験に出ることが書いてある」と早大生が列をなしたノート。繊細な筆運びに、知事の意外な一面が垣間見える。

「竹中式勉強法」は当たり前すぎないか

<strong>東国原英夫</strong>●1957年、宮崎県生まれ。2000年4月早稲田大学第二文学部入学、04年3月卒業。同年4月再び早稲田大学政経学部へ入学。07年1月23日第52代宮崎県知事に就任。近著に『決断力。』(創英社)。
東国原英夫●1957年、宮崎県生まれ。2000年4月早稲田大学第二文学部入学、04年3月卒業。同年4月再び早稲田大学政経学部へ入学。07年1月23日第52代宮崎県知事に就任。近著に『決断力。』(創英社)。

知事になってちょうど丸2年。相変わらず分刻みのスケジュールに追われる日々の中で、いつも上着のポケットに入れて愛用しているのがA6判の小さなノートだ。とくに「勉強しよう」と構えなくても、人と話をしていたり雑誌を読んで興味を持ったことなどを気軽に書き留めることができるから便利だ。気づいたことを片っ端から書き続けた雑学ノートは、あとで見返せば、僕にとってすごくいい参考書になっている。

ベストセラーになった『竹中式マトリクス勉強法』の中で竹中平蔵さんは、「いつもメモ帳を持ち歩く」と書いているが、当たり前すぎではないか。そんなこと、僕はかれこれ20年以上も続けている。ノートは、だいたい1カ月で1冊使い切る。最近は3~4年前までのものしか残していないが、記録するとともに、手を動かして文字を書き付けることで、そのときに脳に刻み込むことが大事だ。

だから、ノートを取る代わりにパソコンに打ち込む人もいるが、僕はできるだけ手書きでやっている。ただし原稿を書くときには文章を入れ替えたり文体を整えたり推敲を重ね、書き直しをするので、それには便利なパソコンを利用している。