9億円の宣伝予算は使いすぎか
都は8日、緊急事態宣言に伴い、都の準備を活用してコロナ対策を行うと発表。「Web広告の拡充」に7000万円、「テレビ・ラジオCM枠の確保・CM制作」に5億6000万円、「新聞広告」に2億3800万円など、宣伝広告に9億円ほどの予算が組まれた。
金額だけみれば、「使いすぎ」と感じられることは、間違いなく一理あるだろう。
とはいうものの、都政担当の全国紙記者はこう効果を指摘する。
「小池さんは確かに目立ちたがり屋。ただこういった前代未聞の非常事態では、なによりも、メッセージのわかりやすさやインパクトが大切なのは間違いありません。都知事自身が出れば、著名なタレントを活用するよりも経費はかからず、なおかつ小池都知事の知名度は抜群。ストレートなメッセージをただ呼び掛けるだけで、『緊急事態なんだな』と老若男女に訴えかけることができるのです」
小池都知事に人気があるか否かは別な議論だが、連日全国ニュースに流れる“顔”だけであって、ほとんどの人が顔と名前を一致できる人物といえる。東京都のトップが、ストレートな発信をすることで、わかりやすく伝えられているという見方もあるようだ。
ちなみに、都知事出演のCMは終了した。19日からコロナ対策のCMとして、人気ユーチューバーのヒカキンさんら4人が呼び掛けるバージョンに変更されている。
目立ちたがり屋でも役に立てばいい
小池叩きが過熱している中、与党のある国会議員は、都知事出演のCM効果を数字で示すことはできないとした上で、
「必要で急ぎのCMやPR動画を作るのに、自らが出演するのが最も手っ取り早い方法。普段の振る舞いに賛否あるが、今は選挙よりも早期終息が一番大切と、本人も重々承知しているはず。総理の“星野源とのコラボ動画”や“アベノマスク”に比べたら、世の中の空気感をちゃんと読んでいる。どちらがやるべきことをやっているかは明確じゃないでしょうか」
と、一定の評価と理解を示した。
メディア上で“叩かれる”ことが多い小池都知事。もう忘れられてしまっているかもしれないが、小池都知事は就任後、「自らも身を切る改革が必要」として、小池百合子都知事給与半減条例案を提出。これまでの都知事給与は年間2900万円程度だったが、2018年度の所得報告書によると、小池都知事の報酬は1253万円。なんと、47都道府県の中で最低所得の知事ということになっている。