補償はしないで、ひたすら外出自粛を要請する安倍首相のハラ
未曽有の危機にあって、これまで筆者は「リーダーシップが大事だ、コミュニケーションが重要だ」と説き、「こうしたほうがいい」という提言もしてきた。そのことを読者から「ダメ出しは簡単」「揚げ足取りだ」と非難されることもあった。
しかし、こうした命令ではなく「自粛」要請によって人々の行動を変え、感染を止めようとするなら、頼みの綱となるのは「コミュニケーション」であるはずだ。最後は、言葉の力に頼るしかない。だから、トップは一言一句に細心の配慮をする必要がある――。筆者には、そんな信念があるから「安倍会見」をいつも批評し続けているのだ。
いくら筆者が気張ってみても、この国で、トップにリーダーシップを求めても仕方がないのかもしれない。きっちりと行間を読み、忖度し、自主的に動いてくれる国民がいるのだから。その驚異的な「忖度させる力」を持つリーダーのもとで、われわれは、ひたすら自粛し、奇跡が起きるのを待つしかないのである。