元コンサルという異色の僧侶が、築地本願寺の経営改革に乗り出している。寺のトップである宗務長の安永雄玄氏は「いまや成人人口の6~7割がなんの宗教ともかかわりをもっていない。そういう人たちにどうやってご縁をつくるかが私のミッションです」という。ライターの飯田一史氏が話を聞いた――。
東京・築地本安寺
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3度目の転職で僧侶、そして寺のトップに就任

約400年の歴史を持つ築地本願寺(東京都中央区)が「開かれた寺」を目指した大改革を進めている。築地本願寺の年間参拝者は2015年からの5年で2倍の250万人に増えた。その仕掛け人が、2015年7月から寺のトップ・宗務長を務める安永雄玄氏だ。

安永氏は元銀行員という異色の経歴の持ち主。僧侶になるまでは華やかな経歴を持つエリートビジネスマンだった。なぜ僧侶になったのか。なぜ寺の改革を進めることになったのか。

安永氏は1954年生まれ。開成高校、慶応大学経済学部を卒業し、三和銀行(現・三菱東京UFJ銀行)に入行。21年間勤務した後、大手の外資系ヘッドハンティング会社ラッセル・レイノルズに移り、2004年には経営コンサルタンティング会社・島本パートナーズに参画、2006年に代表取締役に就任した。

僧侶になったのは50歳。仕事と並行しながら浄土真宗本願寺派の僧侶養成機関「中央仏教学院」の通信教育を受けて得度をした。

得度をしたあとは、慶應大学の先輩に声を掛けられ、先輩の実家である宝徳寺(東京都港区)に入った。後を継いでほしいと頼まれ、経営コンサルタントとして働きながら、毎週末その寺の副住職を務めていたという。

築地本願寺は、1990年代以降、参拝する門信徒の数が伸びず、収入は右肩下がりの状況だった。伝道や布教をどう変えていけばいいかが長年の課題だった。

ところが本願寺派の僧侶は、そのほとんどが寺の子どもとして育ち、宗派の系列である高校・大学に進学して僧侶になった人間だ。お経が読めて法話ができても、新たに門信徒を獲得するプランを立案・実行した経験はない。

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