公務員志望の若者を批判する老害よ、まずは落ち着け

来年の春に向け、大学4年生たちは就職活動を進めている。民間企業への就職活動は、コロナ騒動でスケジュールが混乱している他、ウェブによる説明会や選考など新しい手法の導入が進んでいる。

秋に東京中央市
写真=iStock.com/Masaaki Ohashi
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ただ、大学生の進路は民間企業への就職だけではない。公務員への就職をする人たちがいる。公務員と一言で言っても、国家公務員、地方公務員、さらには警察官や消防士など多様であるし、それぞれに種別がある。中には専門性が高く、「こんな仕事があったのか」と驚くようなものもある。

さて、若者が公務員の道に進む際に、皆さんはどのような印象を抱くだろうか? おそらく、次のような印象を抱くのではないだろうか。

「若者が公務員を選ぶとは。安定志向そのものではないか」
「若者はなぜ、チャレンジしなくなったのか。保守的な選択ではないか」
「ハイリスク・ハイリターンのベンチャー企業に飛び込んで、自分を試してみてはどうか。公務員は残念すぎる」

これもまた、毎年、ネット上で盛り上がるテーマである。いかにも、若者に説教をする中高年の老害芸のような話だ。そして、誤解も甚だしい。現実は公務員を選ぶことは安定志向だとは言い切れない。現状のキャリア形成に関する考え方からもずれている。ハイリスクである。なんせ、将来が先行き不透明である。一方、それでもこの世界に進みたい若者というのは、社会貢献、変革志向があるタイプか、何も知らずに受けている牧歌的なタイプかのどちらかだろう。