春は就職や進学に伴う引っ越しの季節だ。日本経済が高度成長を続けていた1970年代、この年中行事は“民族大移動”などと呼ばれ、ある種、風物詩のようになっていた。ピーク時には、その数が年間850万人にも達し、市場規模も6000億円はあったという。だが、少子高齢化や景気低迷を反映して、昨年は530万人、4000億円前後と推定される。

引っ越し大手6社の売上高

引っ越し大手6社の売上高

こうした状況のなか、引っ越し業界とりわけ大手業者は差別化にしのぎを削っている。各社とも荷造り、配達に際しては、一定容量のボックスを利用することで、利便性を高め、リーズナブルな料金を打ち出してきた。

(ライヴ・アート=図版作成)