相続税を節税したい。そう思ってむやみに生前贈与する、のちのちトラブルの火種になってしまう。贈与のしくみはややこしい。賢い生前贈与の方法を税理士の島田亮子氏に聞いた―。

まずは2つの制度をしっかり理解しよう

生前贈与の制度は大きく分けて「暦年贈与」と「相続時精算課税制度」の2つがあります。まず暦年贈与のほうから解説していきましょう。これは年間の贈与額が110万円以下なら基礎控除により非課税になるという制度です。例えば、親から子に毎年110万円の贈与を10年間続けると、結果として贈与税0円で1110万円の財産を移転することができます。

男は手のひらに小さな木造の家を持っている。曇りの空を背景に、手のひらに木造住宅
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ただし、注意するべき点があります。相続発生からさかのぼって3年以内に相続人に贈与した分は相続税の対象となってしまいます。いわゆる「かけこみ贈与」になるのを避けるため、暦年贈与は早めに開始することが大切といえます。