今後10年の間に自家用車の比率が激減する
シェアリング・エコノミーと自動運転システムの普及によって、近い将来、自家用車をめぐる環境が激変すると予想されている。これまでクルマを所有することは、ある種のステイタス・シンボルだったが、こうした概念は消滅する可能性が高い。むしろ富裕層ほど真っ先にクルマを手放す社会がやってくるかもしれない。
コンサルティング会社であるPwCコンサルティングが作成した報告書によると、ライドシェアやカーシェアといったシェアード・カーの比率は、2030年には米国では14%、欧州では17%、中国では24%まで上昇する見通しだ(いずれも走行距離ベース)。しかも、こうしたシェアード・カーの半分以上が自動運転システムになるという。
自動車の共有が進めば、当然、自家用車を手放す人が増加し、自家用車の保有割合が減少すると予想される。同社では、手動運転による自家用車の比率は米国では現在より83%、欧州では76%、中国では71%まで低下するとしている。つまり今後10年の間に、自家用車が15~25%消滅することになる。これは経済に対して極めて大きな影響を与える。