「観光崩壊」京都市民の意外な肯定の声

その一方で、観光産業へのコロナショックをマイナスと捉えない京都市民もいる。

「やっと、静かないつもの京都が戻ってきた」
「こんなに空いてる錦市場は久しぶり」

観光客の急増による「観光公害(オーバーツーリズム)」の悪影響や交通混雑に辟易としていた市民の言だ。

皮肉なことに、観光公害で苦しんでいた京都は一変して、閑古鳥が鳴くといってもいいガラガラの状態を迎えている。経済的にはたいへんな打撃だが、一般市民にとってはようやく過ごしやすい日常が戻ってきたともいえるのだ。

京都の観光シーズンといえば、身動きが取れない、どこに行っても大行列というのが近年のイメージで、非常に印象が悪くなっていた。だが、今ならどこへ行くにもスイスイ。有名な寺社仏閣もスムーズに入場でき、ゆっくり楽しめる状態が続いている。

50年に1度ともいわれる清水寺の大規模改修・修繕も終わり、待望の檜皮葺屋根が吹き替えられた本堂もお披露目された。しかも、今なら京都市内のどこへ行っても歓迎され、宿泊料金は破格だ。

危機を超えたら「本当の京都」が待っている
写真=iStock.com/Jui‐Chi Chan
危機を超えたら「本当の京都」が待っている(※写真はイメージです)

通常、春の観光シーズンの3月、4月は大混雑で大幅に値上がりするが、簡易宿所1500円、ビジネスホテル5000円、大手シティホテルでも1万円以下で宿泊できる。なにより静寂な空気の中、余人に邪魔されることなく京都の寺院に身を置くといった貴重な経験ができる。

「コロナショック」が落ち着いたら、真っ先に訪れてみてほしい。京都の喧騒が戻る前に。

【関連記事】
ローマ教皇が「ゾンビの国・日本」に送った言葉
なぜ、年金受給者はラブホテルに通うのか。「濡れなくても、謳歌できる」その訳。
妻子を捨てて不倫に走った夫が「一転して改心」した納得の理由
西成のドヤ街に今、若い女性たちが群がる理由
月収44万68歳の悩み"暇で暇で死にそう"