マスク転売禁止で、転売ヤーが次に売るのは…

山田氏は楽天とアマゾンを中心に、300箱以上のマスクを購入した。これらはすべてメルカリとヤフオクで売りさばき、1カ月あまりで100万円以上をマスク転売によって稼ぎだしたという。

しかし、3月10日の閣議決定により、小売店やインターネット通販などで購入したマスクを、取得価格より高く転売すると違法となる政令改正が行われた。マスク転売が事実上不可能となったが、山田氏はまだコロナウイルスに便乗した“商売”をやめるつもりはないという。やはり、コロナウイルスで需要の高まった“手ピカジェル”のような消毒液を転売するつもりなのだろうか。

「それは稼げない人の考え。まだ規制が入っていないとはいえ、消毒液や除菌剤などは、専業の転売ヤーだけではなく一般人とも取り合いになる上、どこの通販サイトでも購入規制がかかっており、大量に仕入れるのは難しい。今から参入するのは賢いとはいえないですね」

山田氏の口から出たのは、一連の騒動とは一見関連性のない2つの単語だった。

「私が狙っているのはキャッシュレス決済とサッカーの組み合わせ。新型コロナの感染拡大防止のため政府がイベントの自粛を要請していますよね。その影響でさまざまなスポーツやコンサートが中止や延期となっていますので、そのチケット払い戻しを狙うのです。この方法で今もっとも効率よく稼ぐことができる組み合わせが、『au PAY』と『サッカー』なのです」

延期が決まってもチケットが買える状態になっていた

au PAYは現在開催中の「誰でも!毎週10億円!もらえるキャンペーン」で購入金額の最大20%がポイント還元されることが話題となり、キャンペーン初日には換金率が高い切手やSIMフリーのiPhoneを求めて、郵便局やビックカメラに長蛇の列ができたことは記憶に新しい。

そして、Jリーグは2月25日に、3月15日までに予定していた全ての公式戦94試合の開催延期、後日3月9日には「4月3日までの再開を目指す」と再開延期を発表した。

それにもかかわらず、3月10日時点まで、3月18日に開催予定の浦和レッズVSベガルタ仙台の試合や、女子サッカー・なでしこリーグで3月21日に開催予定のジェフユナイテッド市原・千葉レディースVSセレッソ大阪堺レディースの試合は、購入可能だった。

チケットの払い戻しは、クレジットカードのように決済のキャンセルではなく、現金で払い戻しされる。そのため、キャッシュレス決済事業者からは「正常に決済が行われた」扱いとなり、ポイントバックは正常に行われるという。