同じ時間働いたら倍以上米が買える

では、東京は物価水準から見て暮らしやすいのだろうか。この点については、やや微妙なところがある。グラフを見るとわかるが、東京は平均年収ベースで見れば、グラフにある50都市中9位に入っているものの、1時間働いて米を何キロ買うことができるのかという比較になると、かなり下位にランキングされてしまう。

ちなみに東京で1時間働くことによって買うことのできるお米の重さは2.9キログラム。これに対して、一番たくさんのお米を買えるのがニューヨーク、トロント(カナダ)、ロンドン(イギリス)、バルセロナ(スペイン)の4都市で、いずれも何と7.5キログラムにもなる。単純に比べて日本の2.5倍の量のお米を買うことができる計算だ。

以下、チューリヒ、ルクセンブルク(ルクセンブルク)、ジュネーブ、コペンハーゲン、ロサンゼルス(アメリカ)と続くが、上位16都市はすべて、平均賃金で上位20位以内に入っている都市ばかりだ。東京の2.9キログラムという数字は、グラフの50都市中31位である。

この数字は何を意味しているのか。1時間の労働で買えるお米の量に関するランキングを額面通りに受け止めれば、東京は比較的高賃金都市ではあるけれども、物価が高く、かなり住みにくい所ということになる。

そこで次に、1時間の労働時間で買えるビッグマックの数を見ると、何と東京は5個も買える計算になる。この数は、カナダのトロントと並んで、世界中の主要都市のなかで最も多い。

ちなみに3位以降については、ロンドンとロサンゼルスが4.6個。ニューヨークとシドニー(オーストラリア)、香港(中国)が4.3個、チューリヒ、ルクセンブルク、ダブリン(アイルランド)が4個となっている。

お米とビッグマックを比較すると、基本的にいずれも上位にある都市は似ている。つまり購買力の高い都市は、お米でもビッグマックでも、大きく変わることはない。ところが、東京だけ、ビッグマックについてはトップであるのにもかかわらず、お米になると50都市中31位まで下がってしまう。

恐らく、その背景にあるのは、規制の存在ではないだろうか。日本において「お米」は生産調整によって、政府が買い上げるという形を取ったことから、国際水準から見て異常なまでに高い値段になってしまった。つまり、日本人は世界で最も高いお米を食べさせられているのだ。ここで規制の是非について議論するつもりはないが、1時間で買えるビッグマックとお米の数字を比べると、規制の存在は、生活コストを確実に上昇させるということが見えてくる。

その他の物価を見ても、東京の物価は全体的に、まだ世界では割高なレベルにある。同レポートによれば、家賃を除いた物価水準は、ニューヨークを100とすると、東京のそれは世界でも4番目に高い数字になっている。

今の東京は、ファストファッションのお店が次々に開店し、1本1000円のデニムジーンズや、1着100円という超格安セーターも登場した。またランチタイムともなれば、ビジネスパースンがハンバーガーや牛丼などファストフード店の前に列をつくっている光景を見ることも多い。筆者の近所にあるお弁当屋さんでは、ついに1個250円のお弁当が売られるようになった。