「自分にぴったりの仕事」を選ぶための本

第3位は『科学的な適職』。人間の幸せを大きく左右するもの、それはキャリア選択です。ではどうすれば、自分にぴったりの仕事を見つけることができるのでしょう。

鈴木祐『科学的な適職』(クロスメディア・パブリッシング)
鈴木祐『科学的な適職』(クロスメディア・パブリッシング)

「何が自分にとって適職なのか」を科学的なデータに基づき、具体的に示したのが本書です。たとえば「好きを仕事にする」というのは、誰もがよいと思えるやり方ですが、サイエンスライターである著者・鈴木祐氏によると、実はそれこそ間違いのもと。本書では「適職」についての考え方を根本から見直し、合理的に仕事を選ぶための方法が紹介されています。その方法は、よくあるキャリア選択のアドバイスとは一線を画するものです。

仕事選びに関する視野が広がるだけでなく、間違った選択をしないための方法や、選んだ仕事にやりがいを持つための心構えもわかる一冊です。これから就職をしようとする人はもちろんのこと、転職や副業、独立を考えている人に、ぜひ読んでもらえればと思います。

世界中の倒産企業を擬人化して解説

続いて、4位以下から、注目の書籍をご紹介します。

荒木 博行『世界「倒産」図鑑』(日経BP)
荒木博行『世界「倒産」図鑑』(日経BP)

第6位の『世界「倒産」図鑑』は、世界中の倒産した企業を擬人化し、イラストやグラフを使って紹介したもの。それぞれの倒産事例が系統別に分類されており、どういう失敗のパターンがあるのかが、わかりやすく解説されています。

今から考えると、「なぜそんな意思決定をしてしまったのか」と不思議に思う事例もあります。ですが当事者の立場に立ち、同じ環境で最適解を導き出せたかを考えると、そう簡単ではないことがわかるでしょう。

そういう意味で本書は、ビジネスの現場にいる私たちにとって、これ以上ないほど示唆に富んだ一冊といえます。倒産した経緯だけでなく、そこから学ぶべき教訓が「倒産に学ぶ3つのポイント」として紹介されているので、自社の戦略をチェックする際にも使いやすいです。

個人のキャリア戦略を考えるうえでも、多くの学びがあります。目を通しておいて、損はしません。