まずはリアルな世界からはじめよう

加谷珪一『日本はもはや「後進国」』(秀和システム)
加谷珪一『日本はもはや「後進国」』(秀和システム)

血のにじむようなコスト削減努力を行っても、儲かった実感が得られないことの背景には、こうした見えないコストが関係しているということを私たちはもっと認識するべきだと筆者は考えます。

これからの時代は、否が応でもビジネスのネット化がさらに進みます。

ネットという広域プラットフォームを十分に活用するためには、まずリアルな世界において、他人を信用する「能力」が必要となります。信用しつつも過度に依存しないという振る舞い方が身に付けば、ネット空間が異質なものにはならず、ビジネスのネット化もスムーズになるでしょう。最終的にはこれが大きな利益につながり、生産性を引き上げる結果となるのです。

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