批判材料のひとつは三重県津市の「レオパレス銀座」

——今回の臨時株主総会は一種のプロキシー・ファイトだったが、レノ側は当初の全取締役解任提案を取り下げた。しかしこれで危機が去ったわけではない。いずれ対決の場が来ると思うが、株主は今後、レオパレスとレノのどちらを支持するとみているか。

「レノ側の株主提案は取締役一名の選任。ではその議案に出てくる一名の取締役を受け入れることが賃貸事業の譲渡とイコール関係になるのかは難しいところだ。(レノ以外の)株主からは取締役会に株主の視点を持っている人が入ってほしいといわれるが、ではそれが特定の株主がいいんですかと問うと“いや、そうではない”となる。ではどうなればみんなが満足できる構成になるのか教えてもらいたいと株主に問いかけているところだ。レノ以外の株主も悩んでいる部分ではないか」

——営業活動を優先し、レオパレスのアパートが集中して立ち並んでいるケースもある。1キロ四方に40棟のアパートが建つ三重県津市のケースは「レオパレス銀座」と報じられた。こうした営業活動がレノ側の批判材料に使われている。

「4~5月に事業戦略の発表を予定しているが、新規のお客様に電話営業をし、夜討ち朝駆けをするような右肩上がりの考えはまったくない。すでに2万8000人のオーナー、4万棟のアパートがあるので、これをどうするのかが一番の使命だ。

すでに築後20~30年のアパートもあり、耐用年数で言えば木造は22年、ローンは30年ほど。次はどうしようかと考え始めているオーナーもいる。それをどうするかを伺いながら何が最適なのか一つひとつ打ち合わせをしていくのがわれわれの役目。約57万室が回っていけばいいとも考えている。また必ずしも新しいアパートに建て替えなければならないとも思っていない」

一昨年の4月から「空手形ばかり」になったのが遠因

——臨時株主総会を前に訴えておきたいことは?

レオパレス21の宮尾文也社長
撮影=プレジデントオンライン編集部
レオパレス21の宮尾文也社長

「レノに付け込まれる要因になったのは、われわれが施工不備の対応に時間がかかったことだ。一昨年の4月から“いつまでにこれをします”などと言ってきたが、それができずに空手形を切ってばかりになってしまった。

経営陣が一新され、“まず(昨年)10月いっぱいまでの全棟調査の完了だけはやろう”ということになった。調査と並行して改修を進める手もあったが、経営資源を調査に集中させた。これによって昨夏に募集を再開して入居率を上げるという算段が狂った面もあるが、虻蜂取らずになることは避けられたと思う。

11月からは部屋を空ける作業に取り掛かり、9月からは4万室について募集を再開している。この入居が進めば入室率は7%くらい改善するので、(黒字浮上に向けて)その取り組みを進めているところだ」

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