選択的人工妊娠中絶が行われ、顔面の美容整形手術も盛ん——。イスラム教の宗教指導者が力を持つイランには、そうした意外な一面がある。統計データ分析家の本川裕氏は「人口ピラミッドの推移を見ると、出生数が大きく増減している。国民が宗教指導者に振り回されている側面があるようだ」という——。
アメリカを敵視するイランのちょっと意外な「顔」
2月11日、イランでは親米のパーレビ王制を打倒したイスラム革命(1979年)からちょうど41年を迎えた。首都テヘランには最高指導者のハメネイ師や、先月、隣国イラクで米軍に殺害されたイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官の写真を掲げた人たちが集まり、米国への敵意をあらわにした。
本年初頭の米国とイランの対立と報復合戦は、中東戦争の勃発必至かと世界に恐怖を与えた。ただでさえややこしい中東情勢を目先の利益のみでひっかきまわしているように見える米国トランプ政権にも驚くが、イランの政権や国民の対応は、狂信的であるように見えて、どこか冷静さを感じるところもある。「一体、イランというのはどういう国なのだろうか」という疑問を感じた人も多かったのではなかろうか。そこで、今回は、人口構造からイランという国の特徴を探ってみることにした。