船内で日常的に感染者とすれ違う
「熱のある方が自分の部屋から歩いて医務室に行ったり、感染者とすれ違ったりするのが日常的に行われている。災害派遣医療チーム(DMAT)や検疫官の方が感染したと聞いていたが、それもむべなるかなと思った」
「中の方に聞いたら、われわれも自分たちも感染するなと思っていると言われてびっくりした。感染症のミッションに出る時は必ず自分たち医療従事者の身を守るのが大前提」
「自分たちの感染リスクを放ったらかしにして患者や一般の方に向かったらルール違反だ。自らの安全が保証できない時に他の方の安全は守れない。いつ感染が起きたのか分かるようなデータも全然取っていない」
「そもそも常駐しているプロの感染対策の専門家が一人もいない。やばいなと思って箴言しても何も聞いてもらえない。やっているのは厚労省の官僚たちで、聞く耳を持たない」
「DMATの方が医療現場に戻ると今度はそこからまた院内感染が広がってしまいかねない。アフリカや中国に比べてもひどい感染対策をしている」
「検疫は機能している」と言い続ける安倍政権
「日本にはCDC(疾病予防管理センター)がないとはいえ、まさかここまでひどいとは思ってもいなかった。学術界とか国際的な団体は日本に変わるように促していただきたい」
「中国のSARSでは隠蔽が問題になったが、ダイヤモンド・プリンセスのカオスの状態に比べるとはるかに楽だった。日本はダイヤモンド・プリンセスの中で起きている情報を全然出していない」
「マズイ対応であることがバレるのは恥ずかしいことかもしれないが、これを隠蔽するともっと恥ずかしい」
最大の問題はやはり安倍晋三首相→加藤勝信厚労相→厚労省官僚・医系技官という指揮命令系統の中に感染症のプロが全く入っていないことだろう。日本最大の問題は組織から岩田教授のような職人気質の専門家を排除してしまうことだ。
そのためグリーンゾーンとレッドゾーンの区別、感染者や疑い例の患者と接触する際の手順、感染症対策の基本となるデータの収集が全く行われていない。にもかかわらず安倍政権は世界に対して検疫は完全に機能していると言い続けてきた。
安倍政権がこれまでと同じように頬かむりするつもりだとしてもそうはいかない。「ダイヤモンド・プリンセス」の集団感染は日本人だけでなく56カ国・地域の乗客の命を危険にさらしてしまった。隠蔽は許されない。全てのデータを即刻、開示すべきだ。