標準の設備・部材、工事の仕様でリフォームすれば定額ですが、仕様を変更すると追加料金がかかります。業者によっては、標準として最低限の粗末な仕様しか用意していなかったり、ごく限られた選択肢しかなかったりすることもあります。

そのため自分の希望どおりのリフォームを実現しようとすると、高額なオプション、追加の工事が必要となり、結局はパック料金を大幅に上回ることになりかねません。

チラシの欄外に小さな文字で「パック料金はあくまで目安としてご覧になり、必ず見積もりをおとりください」と注意書きしてある場合も同じです。

個別に見積もりを取るのに定額制を名乗るのは甚だ疑問ですが、現状ではこうした“定額制もどき”も横行しています。くれぐれも小さな文字も見逃さないようにしてください。

一方で、定額制リフォームは料理でいうとプリフィックスメニューであり、アラカルトでいちいち選ぶのは面倒だという人にはぴったりというメリットもあります。

忙しくてリフォームに手間と時間をかけられない場合は、選択肢の一つに加えてもいいと思います。

部位別の中心価格帯は?
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部位別の中心価格帯は?

ただし、その場合でも、ほかの業者に相見積もりを取ることをおすすめします。相見積もりで適正価格がわかれば、定額制料金との差額が明確になります。差額以上に面倒を省けるメリットが大きいと思えば定額制、逆に割高感が上回ればほかの業者に発注、と判断することもできます。

相見積もりを依頼する時間すらないときは、図の部位別中心価格帯が参考になるかもしれません。このデータは、7800件超のリフォーム事例をもとに弊社が集計したものです。あくまで目安にすぎませんが、相場がまったくわからない人には判断材料の一つになるはずです。

(構成=村上 敬)