情報があふれる社会で「集中力」を高める方法

鈴木祐『ヤバい集中力』(SBクリエイティブ)

2020年1月の第1位は『ヤバい集中力』でした。重要な作業や締め切りが目前に迫っているのに、いつの間にか掃除をし始めたり、動画を見てしまったり……そんな経験がある人におすすめの一冊です。

現代社会は情報があふれており、多くの人が集中力不足を感じています。本書が伝えているのは、本能と理性の特性を理解すれば、誰でも「ヤバい集中力」を発揮できるようになるということ。著者はサイエンスライターの鈴木祐氏です。

もちろん継続的な努力が必要なのは言うまでもありませんが、本書を読めば「まずは2カ月実践してみよう」という気持ちにさせられるはず。「集中力」を論理的に理解し、科学的・心理的テクニックを使って高めていきたいなら、ぜひこの本を読んでほしいです。そして「ヤバい集中力」を身に着け、2020年を実りあるものにしていただければと思います。

「のび太」に自分らしい人生を学ぶ

横山泰行『ポケット版「のび太」という生きかた』(アスコム)

第2位は『ポケット版「のび太」という生きかた』。『ドラえもん』に登場するのび太のイメージは、あまりポジティブではありません。そんな「ダメのび太」は、作品で描かれる未来世界で永遠のマドンナであるしずかちゃんと結婚しています。どこで人生の大逆転が起きたのでしょうか。

本書はそんな「のび太」の生き方にスポットをあてながら、「のび太哲学」ともいうべき人生訓を導き出します。一見すると失敗ばかりで遠回りしている印象ののび太ですが、「実は想像以上に上手に人生を歩んでいる」ことが本書を読むと実感できるでしょう。

著者は「ドラえもん学」を提唱し、あらゆる角度から漫画『ドラえもん』の研究・分析を行う富山大学の横山泰行名誉教授。純粋に『ドラえもん』をさらに深く理解するうえでも楽しめます。

本書で描かれているのび太の姿勢や行動から、自分らしい人生を送り、夢を実現するためのヒントを学んでみてはいかがでしょうか。