利益は出ているのに、お金がないばかりに倒産――不動産関連会社をはじめ、いわゆる“黒字倒産”する会社が増えている。金融機関の貸し渋りが一因だが、倒産の理由は資金ショートしかない。営業部門は倒産予備軍を察知すべく、取引先の与信管理を慎重に行わざるをえない。

黒字倒産という事態が生み出される背景には、P/Lなど従来の決算書の“あいまいさ”がある。あいまいさを生む代表選手が減価償却と売り掛け(買い掛け)だ。実際にはお金が動いていなくても、P/L上では「収益・費用」として計上されるため、数字上は業績がよくても現金がないという事態が生み出される。

「在庫」についてもP/L上では費用計上のズレが生まれる。先述したように、P/Lの「売上原価」を算出する際は、売れ残りの在庫分を差し引く。よって在庫分の支出は、その時点で費用にならず、在庫が売れて初めて売上原価という費用になる。在庫が積み上がっていく限り、見えない支出も積み上がり、倒産リスクが高まっていくというわけだ。

(構成=大沢玲子)