私も、もともと家計簿をつけるタイプではありませんでした。家計簿をつけるようになったのは社会人になってからです。何百万円の奨学金を背負っているというコンプレックスがあり、どれだけ稼いでも無報酬で働いているような気分でした。コンプレックスをバネに何でもやらなきゃいけないと思い、家計簿をつけ始めたのです。

1カ月に平均して18万円貯金できているので、年間で216万円。そこにボーナスも乗れば250万円は貯蓄に回せます。現在は4年間で1000万円を目標に貯金しています。始めて1カ月目の家計簿で問題視したのは、圧倒的に食費と通信費です。1日3食、食べていましたが、非常に効率が悪い。西洋における1日3食の習慣はエジソンがパン焼き機を発明したことで広まったという説もあります。つまりは消費を促すためのマーケティングなのです。

野生動物であれば1日1食、食べられるかどうかもわからないわけです。それなのに、人間は毎日のように食べているわけじゃないですか。そこで常識を疑い、1日1食でいいんじゃないかと。夜の1食生活によって、月4万円使っていた食費を2万円弱に抑えることができた。ただ、たんぱく質や野菜を取るように、栄養バランスには気をつけています。食費は変動費なので、自分の気持ち次第でいくらでも下げられます。まず節約したいと思ったら、食費の見直しが必要でしょう。

通信費については格安スマホに変えました。3大キャリアだと月7000円くらい吹っ飛びます。格安スマホにしたら月2000円になったので、月5000円、年間6万円のカットです。食費と通信費合わせて月に約3万円の節約。年間にすると約36万円です。

経済は見栄の張り合い、あおり合い

お金が貯まらない人の特徴の1つに、見栄を張ってしまうというのがあります。経済は見栄の張り合いで回っています。どんな場所にも広告があり、見栄をあおる。見栄を張り続けるのは青天井で、無尽蔵にお金と時間が奪われます。

旅行が大好きな知人が、何百万のリボ払いがある状態でヨーロッパやアメリカに旅行へ行ってしまうのですが、その理由がインスタに写真を載せたいから。綺麗な景色や美味しそうな料理を見せることで、自分の承認欲求を満たしたいだけなんですね。

子ども部屋おじさんという言葉がありますが、住む家があるならそれはそれでいいと思っています。実家にしがみついてでも、家計に余裕を持てているのなら、それは恥ずべきことではありません。他人の目は関係ないのです。

(構成=ツマミ具依 撮影=藤中一平)
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