「100円おにぎり」で集客アップ

背景にはヒット商品の存在がある。特に大きかったのは「100円おにぎり」だ。ミニストップは7月2日、従来100円超(税抜き、以下同)だったおにぎりを一律100円に値下げし、「100円おにぎり」と銘打って全店(約2000店)で販売を始めた。この中には「手巻紅しゃけ」など130円だった商品も少なからずあり、3割もの値引きとなっている。

この100円おにぎりが集客に寄与した。売り出し翌月となる8月のおにぎり販売数は前年同期比67.2%増と大きく伸び、売上高は40.8%増と好調に推移した。さらに9月と10月は、100円おにぎりを訴求したテレビCMが集客に寄与したという。11月もおにぎりは好調に推移したとしている。

日本人にとって国民食と言っても過言ではないおにぎりを常時100円で販売する威力は相当大きい。セブンなど競合各社も期間限定でおにぎりの100円均一セールを実施することはあるが、通常は110〜140円程度で販売しており、ミニストップの「常時100円」という安さは際立っている。

はやりの商品を取り入れて売り上げ増

さらに、9〜11月のこの期間にはほかにも集客に寄与した商品が存在する。

まずは、9月20日に販売を始めたホットスナック「チーズハットグ」だ。チーズハットグは韓国生まれのホットドッグの一種で、モッツァレラチーズとソーセージをザクザクした食感の衣で包んでいる。2018年ごろから若い女性を中心にはやり出し、それを受けてミニストップは今年9月から販売するに至った。これが9〜11月の集客と売り上げ増に貢献した。

ミニストップの「チーズハットグ」「タピオカミルクティー」「タピオカいちごミルク」(ミニストップHPより)

10月4日にはこれまたブームになっているタピオカドリンクを発売。「タピオカミルクティー」と「タピオカいちごミルク」を売り出し、こちらも10月と11月の業績に貢献したという。

客単価も、9月こそ0.6%減とマイナスだったものの、10月が4.2%増、11月が2.3%増と大きく伸びている。なお、9月の客単価は大手4社そろってマイナスだったが、マイナス幅はミニストップが1番小さい。また、10月と11月の客単価の伸び率はセブンに負けたが、ファミマとローソンには勝っている。

こうした結果、ミニストップの既存店売上高は9月が4.0%増、10月が9.3%増、11月が6.6%増とそれぞれ大きく伸びた。9〜11月は、客単価・売上高・客数すべての伸び率でいずれもミニストップが1番高い数字を出した。