中小だけが対象で、しかも2020年6月末まで
消費税対策として政府が2019年10月1日から始めたキャッシュレス決済によるポイント還元制度。キャッシュレス決済に対応するためにシステムを導入する中小店舗は着実に広がっている一方で、新しい仕組みに対応できない高齢者などの「キャッシュレス化」はなかなか進まない。
消費増税による反動減を避けるために導入した制度にもかかわらず、もともとクレジットカードなどを利用していた層が恩恵を受けているだけで、余力のある高齢者の財布の紐を緩め、消費を増加させる結果にはなっていないようにみえる。問題は、今回のポイント還元が何の目的のために導入された制度なのかがはっきりしていない事だろう。
ポイント還元は、同じ店での支払いでも、クレジットカードや「ペイペイ」などのスマホ決済といった「キャッシュレス決済」をした場合に限って、5%分のポイントなどが還元されるというもの。中小・小規模事業者だけが対象で、しかも2020年6月末までという時限措置だ。
ところが、導入された表向きの理由は、消費増税対策。増税によって消費の反動減が起きるのを防ぐことを狙った、消費促進策ということになっている。消費税率8%だったものが10%となるものの、中小の小売店でキャッシュレスで購入すれば、増税分以上の還元が受けられるというものだ。