「第二回ジャパン・セックス・サーベイ」では、年代ごとに初めて異性とセックスした年齢の割合も示されていますが、これによれば20代男性では29歳までに85.5%が経験ありと回答しています。これと約4割の違いはいったい何なのでしょうか。
この協会の行った調査を相互に比較するだけでも、かなり問題があることは明らかです。回答者数を見ても、20代は343人、40代は682人といったように、実際の人口比よりもかなり偏りが大きいのも気になります。
また、信頼に値するはずの「男女の生活と意識に関する調査結果」でも、実は誤ったデータの公表がありました。当初の報告では、セックスの経験がある人が50%を超える年齢について「男性29歳、女性28歳」としていましたが、正しくは「男性20歳、女性19歳」だったとされています。計算やまとめ方にミスがあったようです。
CNNが「日本で『中年童貞』が増加」と報じたが…
どうも日本家族計画協会のデータ・リテラシーには、大きな問題があるようです。調査結果のインパクトが強いだけに、その影響力の大きさを考えれば決して看過できるものではないはずです。例えばCNNでは「日本で『中年童貞』が増加 その背景は」と題して、次のような記事の配信を行っています。
「政府調査によると」とあるこの記事のデータの出典は明らかではないですが、日本家族計画協会の調査結果も影響したと考えられます。先述の国連報告者の「デマ」もそうですが、根拠が全くなかったり、信ぴょう性の面でかなり怪しかったりするアンケート結果のデータが世界に配信され、それで勝手に日本人像が歪められてしまっては、たまったものではありません。
同様のことが特定の企業や特定の産業について論じられてしまえば、経済的なダメージは決して小さくはないでしょう。これは各種ランキング、特に顧客満足度調査などで顕著に表れるものです。改めて一人ひとりのデータ・リテラシーが重要になってきます。