長い。そして退屈……。「眠たすぎる話」をする人に、どう対処すればいいのか。ラジオで数多くのゲストを迎えてきた、手練れのアナウンサーに秘訣を聞いた。「プレジデント」(2019年12月13日号)の特集「話が面白い人、退屈な人」より、記事の一部をお届けします――。

アナウンサーは、話を切るのが仕事

話の長い方って、困りますよね。聞いているうちに、どうしても眠くなってしまうことがあります。

文化放送アナウンサー 太田英明氏

私の見たところ、そうした話をする人には2パターンあるようです。決して悪口ではありませんが、1つはご高齢の方。1度話し始めると自分の記憶や思考に集中してしまう傾向があるようです。一方で黒柳徹子さんや、元演歌歌手の二葉百合子さんのように、何歳であってもちゃんと周囲の様子を見ながら、話をコンパクトにまとめるのが上手な方ももちろんいらっしゃいます。

もう1つのパターンは、話したいことが整理できず、しゃべっているうちに混乱してくる方。自分でも何を言いたいのかわからなくなって、狼狽してしまうのかもしれません。

そうした方が番組に出る場合でも、サポートするアナウンサーは放送時間内に話を収めるのが鉄則です。長い話を切り上げる基本は、「それって、こういうことですよね」と話を整理することです。脱線していた話が元に戻ったり、一段落ついたりします。アナウンサーは、リスナーという見えない第三者を常に意識せざるをえません。だからスタジオには自分と相手の2人しかいなくても、俯瞰で見るとリスナーを含めた「三角形」で話していることを意識しています。常に第三者的な視点をもつことで、しゃべりながらでも理論や対話の推移を冷静に把握できるのです。

「プレジデント」(2019年12月13日号)の特集「話が面白い人、退屈な人」では、本稿のほか、「話す力」の科学的解明や、ツッコミ芸人をはじめとした「プロの神トークの技術」などを紹介。「もっと話が上手くなりたい!」人は、ぜひお手にとってご覧ください。